労働保険給付の審査

うつ病に対する労働保険給付はどう審査されるか


堂々保険とは、労働者災害補償保険(通称「労災保険」)と雇用保険を合わせた言葉です。給付金はそれぞれ別個に行われていますが、納付については一体になっています。正規社員の他パートタイマーであれアルバイトであれ、一人でも雇用していれば業種や規模によらず労働保険が適用されます。したがって事業種は加入手続きを行い、労働保険料を納付しなければなりません。

厚生労働省では平成17年から未手続き事業者の一掃に取り組んでいます。これらは訪問による各種時業種団体や個別事業主への直接的指導、さらに自主的に保険手続きを行わない事業主には職権により成立手続きの実施を行っています。ペナルティとして、自主的手続きに応じなければ遡って労働保険料の徴収を行ったり追徴金を課すことになっています。

さて労働保険に事業主が加入しても、それで物事が解決するのではなく、劣悪な労働環境を放置しているようでは無意味です。怪我や病気、ストレスによる精神疾患が懸念されます。特に過労死という問題もあります。過労死の場合は原因となる脳や心臓疾患などの疾病が、業務上の理由で起きたかどうかが争点となります。したがって保険給付の認定は簡単ではありません。

今日特に注目されているのはうつ病の問題です。他の病気や怪我に比べ審査の遡上に上がる件数が急増しています。

まず労災認定される条件があります。それは(1)異常な出来事があった、(2)短期間の過重業務、(3)長期間の過重業務、に由来するものです。

(1)は具体的に、極度の緊張や興奮・恐怖など精神的に強い負荷を起こす予測不能な事態を指します。また同様の理由による身体的負荷です。さらに作業環境の変化によるもので、職場配置換えなどにより急激な変化があり、労働者の適応などが考慮されていない場合です。

(2)は、発症前の約1週間の間に、日常業務に比較して特に過重な身体的・精神的負荷を生じさせたと認められる業務を行っていた場合が相当します。ただし労災申請者が、同じ仕事に従事した同僚社員にも同じ症状が認められるか否かによって、審査の結果が変わってくる場合があります。

(3)においては、長期間にわたって著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務を行っていた場合に相当します。具体的には1〜6ヶ月に渡って1ヶ月あたり45時間を超える時間外労働が、そして45時間を超えるほど業務と発症の関係性が強まる、発症前1ヶ月間に100時間、または発症前に1ヶ月あたり80時間を超える時間外労働が2〜6ヶ月あった倍は関連性が強いと判断されます。

このような状況科ではタフな精神を持っている人さえも精神疾病罹患の可能性があります。事業者には職場環境の改善の義務がありますから、従業員も仕事で精神をすり減らす前にSOSを発して社員個人ではなく会社の問題と認識する必要があります。